徐々に増えつつある恐怖の限界マンション…その実態に迫る!

2021年02月16日(火)

マンションなどの不動産を現在所有・管理されている方や、これからマンションの購入をお考えの方も、多いことと思います。

いまマンションで問題となっているのが、「限界マンション」の増加です。管理・修繕が行き届いておらず、建物として限界を迎えているマンションが、増加しつつあるのです。

そこで、本稿では限界マンションが生まれてしまう原因や、ご自身のマンションが限界マンションにないための対策について、解説したいと思います。

限界マンションとは

限界マンションとは、建物の維持管理が限界を迎えてしまった中古マンションのことです。

建物を維持管理するためには、「管理費」「修繕積立金」が必要です。ところが入居者が減ってしまったり、住んでいてもお金を払わなかったりすると、資金が不足して建物の維持管理を続けることができなくなってしまうのです。

これは、ごく一部の限られたマンションだけに起こることではありません。限界マンションは、どんなマンションでもいつかは起こり得る過酷な現実です。

限界マンションになってしまうと、建物が傷むだけでなく、空き巣などの犯罪も起きやすくなります。

限界マンションはどのようにして生まれるのか?

ただし、すべてのマンションが限界マンションになるわけではありません。限界マンションになるには、それなりの理由があります。たとえば次のような理由です。

1. 建物の老朽化

建物は築年数の経過に比例して劣化するため、老朽化によって限界マンションとなってしまう建物は、数多くあります。

下記のグラフは、国土交通省が示したマンションの築年数に関する、今後の推移です。現在は築40年超のマンションが91.8万戸ですが、10年後には213.5万戸、20年後には実に384.5万戸と、現在の4倍以上が築40年以上のマンションとなります。

築40年以上というと、昭和56年以前の建物になりますが、昭和56年以前の建物は旧耐震基準で建てられたため、老朽化が進みやすいというのが大きなデメリットといえるでしょう。

耐震改修を行えば長く持たせることもできますが、マンションによっては住民の賛成が得られずに、改修工事が進んでいないケースもあり、いま社会的な問題となっています。

出典:国土交通省 マンションに関する統計・データ等 令和2年

2. 空室率の上昇

建物が老朽化すると、居住者が次第に減り始め、新たに居者する人も減り始めます。これによって、築古マンションの「空室率」が上昇します。

実際、下記の国土交通省 「平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状」によると、マンションの完成年度が平成12年度以降の建物は20~22%弱の空室率ですが、昭和55年~平成元年は54%強と2倍以上、昭和54年以前の建物に至っては65%近くと、平成12年度以降の建物の実に3倍以上の空室率になっています。

このことからも、築年数が経過することによって、空室率が大幅に上がることがわかるでしょう。空室率が上がると、人が住まない物件は、当然のことながら傷み具合もひどくなっていきます。

出典:国土交通省 平成30年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状 平成31年

3. 修繕の停滞・不足

マンションの管理費や修繕積立金は、所有者から集めるお金によって賄われています。築20年ぐらいまでのマンションは、空室率もそこまで多くはないため、何とか運営していけるかもしれません。

ところが築年数が経って居住者が減ってくると、管理費や修繕積立金を十分に用意できなくなるため、必要な修繕が行えなくなってしまいます。

マンションは古くなればなるほど修繕箇所も増えるのですが、そのメンテナンスができなくなると、いよいよ建物は劣化の一途をたどるでしょう。

壁がひび割れても放置し、共有部分が破損しても何もできないまま、限界マンションと化してしまうのです。

マンション修繕が行われない理由

マンションの大規模修繕の周期は、12年が目安とされています。たとえば築12年前後の第1回目は外壁の塗装を中心に行い、築24年前後の第2回目では建物の内側も含めた修繕工事を行うといった具合です。

ところが、現実には12年周期を迎えても大規模修繕を実施していなかったり、メンテナンスが不足しているマンションも少なくありません。

マンション修繕が行われない理由としては、主に「修繕費の不足」、「修繕に関する会議が実施されないこと」が挙げられます。

修繕費の不足

先にもお話ししたように、建物の老朽化に伴って空室率が上昇すると、修繕費を集めることができずに修繕を実施できない事態となってしまいます。

マンションの怖い点は、一軒家なら修繕するか否かの選択を個人の意思に委ねられるのですが、マンションはたとえ自分が修繕積立金を払っていても、皆の同意なしに修繕できないことです。

本来であれば、たとえ部屋が空室でも所有者は存在するので、その人が修繕費を払ってくれれば問題はないはずです。ところが、現実には築年数が古いと所有者が不明になってしまい、修繕費を払わなくなってしまうケースが多いのです。

修繕に関する会議が実施されない

築古マンションの住人の中には、永住するつもりのない人や遠方に住んでいる投資家なども多く、修繕に関する会議すら実施されない場合もあります。

新築の頃に一斉入居した人たちが、ずっと住み続けているようなマンションは別ですが、マンションの将来について何も考えていないような住人が多いと、そもそも修繕について話し合う気にもならないでしょう。

また、築年数の経ったマンションは住人の高齢化も進んでおり、お金を出したくても出せない事情がある人もいるのが現実です。

限界マンションを生み出さないための対策

では、限界マンションを生み出さないためには、いったいどのような対策をとったらいいのでしょうか?限界マンションにならないためには、建物が完成した後、できるだけ早い時期に修繕やメンテナンスの対策を立てることが重要です。

定期的なメンテナンスの実施

限界マンションを生み出さないためには、「定期的なメンテナンス」が欠かせません。

築年数に伴って建物の老朽化が進むのは仕方のないことですが、定期的なメンテナンスを実施することによって、老朽化するスピードを大幅に抑制することができるからです。

築30年以上経ってもスッキリと美しい外観と室内を保っているマンションは、空室も少なく、潤沢な管理費や修繕積立金を確保することができるでしょう。

修繕計画の策定

マンションが完成した後、早期の段階から「修繕計画」を策定することによって、住人が限界マンション化することに対する問題意識を持つことができます。

今後のマンションの維持管理について話し合うことで、修繕に対してあまり関心がない人とも、利害関係を調整しながら議論を行うことができるでしょう。

実はこうした取り組みが、限界マンションを生み出さないためには、非常に重要なのです。

マンション解体という選択肢も

限界マンションを生み出さないための対策についてお話ししましたが、マンションによっては、「すでにもう限界マンション化してしまい、手の施しようがない」というケースもあるかもしれません。

このような場合には、マンションの「解体」というのも、選択肢のひとつになってきます。マンションを解体して新たに建て直すか、それとも更地にして売却するかといった、何らかの方法によって、限界マンションの解決を図る必要が出てくるでしょう。

まとめ

限界マンションが生まれる理由や、限界マンションにならないための対策などについて、お話ししてきました。

マンションは定期的な修繕やメンテナンスが重要であること、限界マンションにならないためには、住人の理解や空室率を増やさない工夫が必要であることなどが、おわかりいただけたかと思います。

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