RC造解体前に知りたい!RC造特有の解体方法や費用相場について解説
建物や物件の解体を考える際、ポイントになるのが建物の構造です。建物の構造によってそれぞれ気をつけるべき点や費用も異なるからです。
例えばよく見かける建物構造の1つにRC造があります。
RC造とはどんな建物に使われる構造なのでしょうか。RC造の建物を解体する場合に押さえておきたい点を費用相場とあわせて解説します。
RC造とは
RC造とは簡単に言うと、鉄筋をコンクリートで補強してできた建築物の構造です。
RCはReinforced-Concrete(強化コンクリート)の頭文字に由来し、RC構造と呼ばれることもあります。鉄骨を組み合わせて柱や梁などの芯にし、周囲にコンクリートを流し込み建物を強化する作りです。
木造建築などと比較すると耐久・耐震・耐火性に富み、防音性にも優れています。そのため、RC造ビルやマンション建築に用いられています。
他の建物構造との違い
高温多湿かつ木材を活用してきた背景もあり、木造の日本建築が多数見られます。
木造建築は通気性があり、調湿機能に優れる反面、遮音に劣る側面があります。
一方気密性の高いRC造は、遮音性・防音性に優れています。
ただ木造よりも頑丈な造りで重量があり、解体の際にはRC造特有の特性に合わせた解体方法を選択する必要があります。
RC造の解体方法
木造などに比べ、頑丈で耐久性・耐震性に優れたRC造の建築物は、造りがしっかりしています。
RC造特有の解体方法で解体しなければなりません。
階上解体
RC造は、ビルやマンションなどに多く用いられる構造です。
高所部分である上の階から下の階へと取り壊していくのが階上解体です。
一般的に、大型クレーンで重機を一番上階まで引き上げた後、上階から順に解体を行っていく方法が取られます。
地上解体
地上解体は、地上に重機を設置し、解体を進めていく方法になります。
低中層のビルやマンションであれば、クレーン車のようなアームを持つハイリフト重機等を用いての解体が可能です。敷地面積がある程度確保できる広い現場での採用されることの多い方法です。
圧砕機工法
建設機器に圧砕機であるアタッチメントを取り付け、解体を行うのがコンクリート圧砕機です。
圧砕機は解体するものの材質などにより用途が異なり、適したものを取り付けて使います。条件に合わせて作業が進められる効率的な工法です。
また比較的騒音や振動が少ないのも特徴です。
大型ブレーカー工法
先端に大型ブレーカーを取り付け、ノミ(杭)を激しく振動させ、でコンクリートを破砕するのが大型ブレーカー工法です。
大型ブレーカーはコンプレッサから出る油圧の力を利用するアタッチメントで、ジャイアントブレーカーとも呼ばれます。振動による騒音が発生するため、周囲の状況に配慮して使う必要があります。
転倒工法
転倒工法は、はじめに建物の高い外壁や柱などを最初に地面に引き倒すやり方です。
コンクリートを運びやすいサイズにした後に、解体します。
粉塵の飛散量を軽減でき、高所作業も少なく安全性の高い工法として知られています。外壁などにワイヤーを取り付けて引き倒す方法、鉄骨を重機とガス溶断によって切断してから引き倒す方法などアプローチはさまざまです。
RC造解体の工期はどれくらい?
RC造の建築物を解体するためには、契約締結から施工完了まで最短で約2週間を要します。もちろん延床面積や立地などの条件によって、工期は大きく異なります。
加えて、工事は天候にも左右されます。
雨や雪など気象条件が厳しい場合は、工事を中止せざるを得ないからです。
RC造解体の費用相場
工期とともに気になるのが、解体にかかる費用です。
一般的にRC造の建築物を解体する場合、1坪あたり4.5万円~8万円がおおよその相場となります。延床面積が大きいほど作業も大がかりになりますし、人手も必要です。
また立地条件によっても作業内容は異なるのが現状で、一概にはいえません。あくまで目安の金額であり、現場の施工状況を鑑みて金額が変動すると心づもりをしておきましょう。
RC造解体の大まかな流れ
RC造の建築物を解体する場合、一般には次のようなスケジュール、工程で進めていきます。
解体業者との意思疎通を図り、スムーズな解体工事を行うため、知っておくべき内容を順にご紹介します。
現場調査
立地条件や近隣の環境についての情報収集のため、欠かせないのが現地の事前調査です。
解体業者と見積もりの内容を確認、どういった工事が適切なのかを把握します。
さらに、解体工事を行っている期間は工事車両が行き来し、騒音や振動、また粉塵の飛散など近隣住民に少なからず迷惑をかけることになります。
必要のないトラブルを防止するため、工事前に粗品などを持って一言挨拶しておくのがおすすめです。
足場養生の設置
作業者が安全に解体を行うため、近隣への騒音や粉塵飛散を防ぐために足場養生を設置します。RC造りは頑丈な構造ゆえ、大型の重機を使用するケースが多くなります。
まずは、重機やトラックなど工事車両の搬入経路の確保のため、建物周囲にある外構を撤去します。建物の周囲をしっかりと覆い、囲むような形で足場養生を行います。
解体
基本的には、内装を先に解体、撤去していきます。
ガラスや内装材は手作業で行います。解体工事で発生した廃棄物は、建設リサイクル法のルールに則って分別解体が必要です。
内装に使用されている材料をきちんと分別し、解体を進めます。
内装が終了したら、内装や外装、設備機器等を除いた、建物を支える骨組みである躯体(くたい)も撤去します。
基礎の掘り起こし
解体の最終工程であり、大変な作業でもある基礎の掘り起こしを行います。
基礎は地中に埋まっている土台を掘り起こす作業で、重機を用いて行います。
地中を掘り起こす作業のため、振動や騒音が起こりやすく、時間帯などに配慮が必要です。
基礎をそのままに、新しい建築物を建てるケースもあります。
破片の撤去・清掃
基礎である土台の掘り起こし作業で、主な解体作業は終了です。
現場には作業によって地表のガラ(コンクリートを砕いた塊などの廃材・廃棄物)や木切れなどが多く発生します。これらの撤去、清掃を行っていきます。
施工確認
解体作業が終了した土地を整地し、工事によって汚れた道路も掃除してきれいにします。
整地、清掃の終了後、解体完了を施工主が確認します。
最終確認が終わったら、近隣への挨拶も忘れずに行いましょう。
RC造解体前に把握したい注意点
しっかりした作りのRC造の建築物を解体する際には、重機を用い、ある程度大きな工事を行わなくてはなりません。納得できる解体工事を行うために、事前に以下の点に留意をしておくことが重要です。
工事では重機を使用すること
道路が狭いなど現場の条件次第では、重機の使用に制限があったり、廃棄物を運ぶトラックのサイズを考慮したりするなど確認は不可欠です。
また工事中には騒音や振動、粉塵などが発生し、近隣とのトラブルの原因になります。事前現場調査で精密な情報収集、近隣住民への挨拶などを事前に行っておきましょう。
解体業者との認識の一致
現場での立ち会いに時間を割き、解体業者にきちんと要望を伝えましょう。
業者との認識のズレによって、解体すべきところが撤去されていない、壊さなくていい部分も解体されてしまうなど思いもよらないトラブルにつながってしまいます。
確認事項を明確にし、業者に希望伝えるなどコミュニケーションを取ることも重要です。
まとめ
鉄筋をコンクリートで補強して作られたRC造の建築物は、木造など他の建築物よりも耐久・耐震・耐火性に優れています。頑丈で防音性も高く、ビルやマンションに用いられており、解体には重機を用いた工事を行わなくてはなりません。
堅牢な作りのため、解体工程もきちんと組む必要があり、工事に見合った費用も見ておかなくてはなりません。
とはいえ、立地条件や延床面積により費用が異なるため、事前の現地調査が不可欠です。
騒音振動、粉塵も発生するため、近隣へ事前に挨拶をしておくなど配慮が求められます。不要なトラブルを防ぎ、悔いのない解体工事を行うためには何よりも信頼できる解体業者を探すことが重要になります。
希望に真摯に答え、丁寧に説明してくれる業者を選ぶことがRC造の解体工事を成功の近道だといえるでしょう。
当社では、近隣の皆様への防じん、飛散物防止に配慮した解体工事を実施。解体工事のことでお困りの際は、まずは当社にご連絡ください。
«前へ「鉄骨マンションの特徴と解体に適した時期や費用について解説」 | 「気づいたら進んでいるかも結構進んでいるかも?アパートの劣化のサインについてお伝えします!」次へ»